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オンナ政治家の生きる道 [事件、ニュース]

田中真紀子が外務大臣を更迭されたのは5年前(2002年1月29日)だ。「外務省は伏魔殿」発言に代表される外務省・外務官僚との対立で、当時の小泉首相に更迭された。
翌年の2003年11月13日には、かつてマドンナ旋風を巻き起こした土井たか子が、辻本清美の秘書給与問題などによる党勢衰退の責任を取って辞任した。
私はどちらの支持者でもないし、というか年齢的に、彼女たちが活躍した時期は選挙権も無いような状態だったので、政治家としてどうこうとはあまり思わない。ただ感じるのは、2000年を過ぎた今でも、オンナ政治でいることがいかに難しいかだ。

田中真紀子は現首相の安倍晋三と同期だ。そして、安部首相にも劣らぬ「親の七光り」がある。安部は岸信介の孫であり佐藤栄作とも親戚だが、田中真紀子は実父が田中角栄である。
安倍晋三ですら首相になれる日本なのだから、年齢的な事を考えても、政治家としての経験値を考えても、親の七光りパワーを考えても、田中真紀子が首相になってもおかしくは無かった。
彼女が、オトコなら。
私は田中角栄・田中真紀子についてイデオロギーとしては批判的だ。しかし、あれだけ一世を風靡した彼女の現在を見るにつけ、「やっぱ政治って男の社会だな、こえーな」とつくづく思う。土井たか子にしてもそれは同じで、「山は動いた」と言えるほど政治を動かし、女性初の衆議院議長まで勤めた彼女が、今は政治家ですらないことになんともいえない悲しさを覚える。
もちろん、彼女たちが政治家として無能でダメであったなら、厳しい対応をされて当然だ。そして、責められるべき点もきっとあったのだろう。
それにしてもだ。
丸川珠代が当選し、小池百合子が(非難されて当然とはいえ)バッシングされるのを見るにつけ、上昇志向のあるオンナがいかに嫌われ者であるかを感じずにはいられない。やはりオンナは未だに「涙ながらにお詫びしてオトコに頭を下げる存在=丸川珠代」でなければ認められないのか。

フランス大統領選挙の際にも、こんな悲しい気持ちになった。
サルコジとロワイヤルが選挙中にテレビ討論した際、サルコジの障害者政策をロワイヤルは強く非難した。何度も声を荒げて怒るロワイヤルに、サルコジはしたり顔で「落ち着いてください」「冷静でいなくては大統領になれませんよ」と度々たしなめたが、ロワイヤルはそれに応じなかった。
「私は怒ってるんです! 正しい怒りもあるんです!」と訴え続けた。
このテレビ討論が、現地で実際にどう評価されたのか私には分からない。しかし少なくとも日本メディアの扱いとしては「感情的になったロワイヤルの負け」とされた。そして彼女は現に負けた。
リテラシーの高いフランス市民が、日本的な「感情に走る女は嫌われる」というロジックで彼女を落選させたとは考えにくい。実際には政策面・政治能力の面でも不備があったのだろうとは思う。
けれど彼女がオトコだったら、日本メディアから同じ事で批判されただろうか。政策ではなく態度を、批判されただろうか。熱心に政策を語る熱い政治家として、むしろ評価されたのではないかとすら私には思える。

小池大臣がガケから突き落とされる日は近いだろう。やっている事を考えれば至極当然だ。彼女が一日も早く大臣の職を辞してくれるよう、私も願ってやまない。
しかし、権力を持ってはしゃぎ過ぎている小池大臣を見て、私は怒りよりもむしろ虚しく悲しい感情にさいなまれる。権力を持つことが、彼女にとってどれほど羨望の的であり、どれほど難しいことであり、そのためにどれほどのものを捨ててきたか垣間見るような気がするからだ。

「前へ行け行けと言われるのに進めないんですよ。誰かがスカートを踏んづけてる。後ろを振り返ってみると、言っている本人だったんです」by田中真紀子

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