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タレント議員という名の集票装置 [選挙]

今回の選挙でも、いわゆる「タレント候補」の活躍が目覚しかった。特に党としての支持をほとんど得られなかった自民党では、比例での当選者は有名人のオンパレードだ。
丸山和也(弁護士)、佐藤正久(元イラク駐留一等陸佐)、義家弘介(ヤンキー先生)、橋本聖子(元スケート選手)。中山恭子(首相補佐官)も入れれば、なんと比例で当選した14名のうち、5人が著名人。舛添要一(国際政治学者)も入れれば6人だ。実に2人~3人に一人の割合な訳で、本当に異常である。
民主党でも横峯良郎が当選し、東京選挙区では最後の最後に滑り込んだのが丸川珠代。
これ、なんのバラエティー番組だよ。

日本の民度に絶望したくなるものの、絶望しても意味は無いので話を進める。
これほどまでに、特に比例でタレント候補が多いのは、よく知られているように比例代表制における票の横流しが可能だからだ。一人の有名人が2人3人分の票を取り、その余り票を別の候補に横流しして、本来なら落選するような獲得票の人を当選させる事が出来る。
日本は政策よりも人柄や知名度で投票する傾向が強く、だからタレント候補も生まれるし、演説カーも名前の連呼を繰り返すし、候補者が泣いて見せたり土下座して見せたりするわけだ。まぁ、政策は難しくてよく分からないし、分かったところで裏切られる可能性がある(現に裏切られてきた)から、そういった無関心や不信感も根底にあるのだと思う。
余りが出るほどの票をタレントが獲得できてしまう風土も問題ではあるけど、その風土をまさに悪用しているのが今の比例代表制だ。

いわゆるタレント議員は昔から存在するものの、大橋巨泉、田嶋陽子、大仁田厚などなど、政治や政党に失望して辞めていく議員も多い。また残っているからといって、どれだけ業績を残しているか怪しい。
だが、そんな事は問題ではない。彼らの一番の仕事は、少なくとも党の求めている役目は、国会や各種委員会で活躍する事ではなく、選挙応援なのである。
ドキュメンタリー映画「選挙」でも、その実態が如実に現れる。映画を見ていない人のために解説すると、これはコイズミ郵政改革選挙において、一般の市民(切手コイン商の男性)がひょんなことから地方選に立候補し、当選するまでを追ったドキュメンタリー映画だ。
この映画の中で、何度か大規模な街頭演説の様子が映し出される。応援に駆けつけるのは、あの当時は一番の有名人であった首相、そして橋本聖子、荻原健司といったタレント議員である。
つまり彼らは、まず選挙の段階で票の横流しを可能にする集票装置としての役割を果たし、その後は各種の選挙で、応援に顔を出すことで集客・集票装置としての役割を果たす。現状では、それこそがタレント議員の「本職」なのだ。

安部政権に大きなNoを突きつけた今回の選挙戦でも、タレント議員には絶大なYesが集まった。
その事も含めて、今回の選挙結果を大歓迎とは思えない。

<参考>
映画「選挙」


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