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利用される選挙権 [選挙]

「選挙権のない人々」に続いて、今回も選挙権について考えたい。
どの国でもそうだと思うが、かつて選挙権をはじめとする参政権は、ごく一部の人だけに限られた権利だった。日本も戦後まで、女性には選挙権が無かった。それが今のような「20歳以上の男女」と拡大されてきたことについて、鈴木邦男さん(新右翼団体「一水会」顧問)が、とても意外で面白い文章を書いていた。

「投票と民主主義と私」より引用
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でも、戦後、婦人参政権は、すんなりと認められた。「これで保守派の票が増える」と思ったからだ。つまり、「女は夫の言う通りに投票する」と時の政府は思った。だから、「我々の票が二倍になる」と踏んだ。女性は20才頃には結婚するものだと思われてたから、大部分は「妻の票」だ。
 「アメリカさんも粋なことをしてくれる」と喜んだのだ。20才になってまだ結婚してない娘もいる。でも、それは父親の言う通りに投票するだろう。そう思われていた。夫の意志に逆らい、父親の意志に逆らう日本女性などいるはずがない。そう思われたのだ。こうした従順な女性が「大和撫子(やまとなでしこ)」だと思われた。女性もなめられたものだ。
 そして今回の「国民投票法案」。どうも18才以上に投票権を与えるらしい。これだって、「若者は保守的だ」「右傾化している」という前提があってのことだ。若者の票がドット、政権党に入ってくる。いいじやん。という読みだ。そのうち、普通の選挙も「18才以上」にするだろう。その布石ですよ。
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うーん、面白い。表向きは女性や若者の権利が拡大されているようでいて、実は政府が都合よく利用するつもりで選挙権を拡大しているというのだ。
これに対して「女性や若者が自分の権利を主張した成果だ」との反論もあるだろうが、少なくとも今回の「国民投票法」に関して、国を突き動かすほどの「私たちにも投票させろ!」という要求が若者からあったとは、私は把握していない。ましてや、強行採決が相次いだ前国会において、そのような「正しい順序」で投票権が拡大されたとは、到底思えない。
確かにこのようにして、選挙権は政府にとって都合よく使われてきた側面もあるのだろう。
とは言え、政府が利用するつもりだったことと、実際に利用されてしまうことは違う。なめられているが故に得た選挙権を、自分をなめていた政府への逆襲に利用することは可能である。政府が若者のウケーカを当てにして国民投票に10代を参加させるつもりなら、10代の人々はウケーカしている場合ではない。それじゃ、なめられっぱなしになってしまう。
しかし、もし仮に若者が政府の狙い通り投票したら、年長世代はそれを見て「まったく、今の若い奴はバカだな」などと思っていられるだろうか。今時、男の指示通り投票する女性はまずいないと思うが、「会社の言う通り」とか「組合の言う通り」「地元の有力者が言うとおり」投票する人は、地方ではまだまだ多い。他人事ではないはずだ。

私の住む島根県は、いつも投票率が全国トップだ。
ええ、もちろん、「市民の自主的な選択」による「自主的な判断に基づく投票」ですよ。
だから自民党が圧勝なわけで。ハコモノも原発も作るわけで。福祉はどんどん切り捨てるわけで。

えーと・・・・
島根県の方々、なめられたままで良いんですか?

<関連>
一応、選挙権に関係するニュースということで丸川珠代氏、選挙権なし…NYから帰国後3年、転入届未提出


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