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原発の地震火災から、島根原発3号機のヤバサを考える [事件、ニュース]

豪雨、台風、大型地震と、自然災害が相次いでいる。私は沖縄に何人か知人がいるのだが、台風慣れしている沖縄からしても、やはり今回の台風は相当な威力だったようだ。そして新潟は3年前に続き、またしても大型地震の発生である。
亡くなった方のご冥福と、現地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げる。

それにしても、昨日の報道はどうにもおかしかった。
地震直後、ニュース速報が流れるとともに、ほぼすべてのテレビ局が地震報道の特別番組に切り替えた。だが今回は、例えば阪神淡路大震災のように、即座に衝撃的な映像をとらえることは出来なかった。固定カメラ(いわゆる天気カメラなど)の地震発生時の映像を見ても、いまいち揺れの激しさが伝わってこない。
震度を聞けばすごい数字だ。明らかに、とんでもないことになっている。しかし、映像からはそれが実感できない。
そんな中、東京電力の柏崎刈羽原発が火災を起こした。しかも室外だから、外壁付近から立ち上る黒煙を直に映し出すことが出来る。被害の甚大さを象徴する映像が無い中、テレビメディアはそれに飛びつく。
チャンネルを回すと、全局、原発火災の映像だった。
それなのに、夕方になってニュースを観るとどうだろう。そんなことは起こらなかったかのように、どの局も、原発火災について微塵も報道しない。あれは幻覚だったのかと思うほどだった。

ひとつには、地震発生から時間がたち、そこそこ取材が進んだので「衝撃映像」が他にいくらでも手に入るようになり、火災の映像に頼る必要が無くなったことがあるだろう。
そして、もうひとつには、やはり原発はタブーなのだ。10:30の時点では、なかなか「良い画」を用意できず焦っていたから、メディアも一瞬だけそのことを忘れた。それで堂々と「ヤバイぞ原発!」ってところを放送してしまった。生放送が終わり、振り返ってようやく「あ、これ流しちゃダメだった」と気づいたんだ。だから、それ以降の放送ではほとんど使わなかった。
今日になって、新聞では原発問題について多少は取り上げられているものの、メディア全体としての扱いは小さい。しかし、地震の影響による原発火災は、日本の原発史上で初の出来事だ。実は放射性物質を含んだ水が漏れ出ていたことも分かった。想定していた揺れを上回っていたことも分かった。そしてこの場所に7つもの原発がある。
この地震は、自然災害の脅威もさることながら、「地震大国ニッポンで原発は本当に大丈夫なのか」という、極めて重要な疑問も投げかけている。

私の住む島根県には2つの原発がある。一方で3号機を建設中。更には、プルサーマル計画も始まっている。
実はこの3号機の建設地には、活断層が見つかっている。当初、中国電力はこの「宍道断層」の長さを8キロと評価。しかし、6年後には「万全を期すため」として、約10キロに評価を補正。更にその2年後、広島工業大や広島大などの共同研究チームが、約18キロにも渡る新たな活断層を発見した。それでも中国電力は「安全性は損なわれない」と説明する。
本当かよ。
今回、原発火災のあった場所で、活断層があることは既に把握されていた。それでも予想を超える揺れがあり、想定外の火災や放射性物質漏れが起きたのだ。
島根原発3号機では、計画時には把握されていなかった活断層が見つかっている。その想定外の活断層がある場所で、更に想定外の「活断層の評価を上回る揺れ」が起きたら、どうなるのか。日本は原爆だけでなく、原発でも被爆国となるつもりなのか。
そして一方で感じるのは、日本的な「一度計画すると戻れない公共事業」制度の中で、原発建設は「出来る限り安全に」進められているのかという疑問だ。もちろん、何が起こっても絶対に壊れない建物など存在しないから、「最大限の安全対策」が「万全な安全対策」ではないわけで、どこをどうしても危険性は残る。だから原発は全廃すべきだとも言える。
それでも原発を維持したいなら、もしくは新設したいなら、最低限、今の技術で出来うる限りの対策をとることは国と電力会社の責務だろう。
原発が必要か否か、作っていいかどうかについては、いろいろと議論があるだろうし、私は専門家じゃないのでよく知らない。しかし「作るなら、せめて最大限の安全対策を取れ」と強く思う。

<関連>
時事通信【排気筒から放射性物質検出=廃棄物棟ではドラム缶倒れる-油漏れも・柏崎刈羽原発】
保坂展人のどこどこ日記【新潟県中越沖地震と原発火災】
【原発7基の柏崎市も大被害 ~新潟県中越地震 報道管制でかくされた真実~】
中国新聞社説【島根原発3号機 地震への不安解消図れ】
中国新聞社説【島根原発プルサーマル 「安全」確保できるのか 】


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