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ビッグイシューを知っていますか [貧困]

ビッグイシューという雑誌をご存知だろうか。この雑誌はホームレス又は家を持たない人だけが販売を許され、その売り上げの半分以上(一冊200円の雑誌で110円)が販売員の収入になる、ホームレス支援事業のひとつである。雑誌内容は様々な社会問題や流行を扱い、特に若い世代が読みやすいような充実したものになっている。表紙は毎回、著名人がかざる。
この取り組みは元々はイギリスから始まり、今ではいくつかの国で実施されている。日本では2003年9月に始まった。東京や大阪ではかなりの場所で販売されているので、都会にお住まいの方なら、ビッグイシューの販売員を一度は目にしたことがあるはずだ。

ホームレスの多くは、実際には働いて自立することを望んでいる。しかし、まだまだ「働くのが嫌でサボっている人」といったイメージが強いかもしれない。特に「仕事が人生で一番価値あるもの」である日本人にとって、無業であるということは実に簡単に差別と結びつく。まさに「働かざるもの食うべからず」というやつだ。
それでも、いや、だからこそ、ビッグイシューの販売員たちは熱心に雑誌を売る。販売員にはいくつかの行動規範が定められているので、販売時の態度にも気を使うし、服装にも気をつける(といっても、もちろん金がないので限界はあるが)。
「勤勉な日本人」であるホームレスたちにとって、働くことは、おそらく収入以上のなにかも与えているのだろう。

今年、数年ぶりに東京へ行き、驚いたのはホームレスが格段に減っていたことだ。渋谷駅といえば、私にとっては「ホームレスの場所」だったのが、今年行ってみると、その姿はほとんど無い。
少し前には私の地元、島根でもホームレスを見かけるようになっており、家を持てない人が増えているんだな、地方にもホームレスが出るようになってきたんだなと思っていた矢先だったから、あまりのギャップに驚かざるを得なかった。
救済されて自立したからいなくなった、とは私にはとても思えず、むしろ公共の場から強制的に排除されたのではないかと心配になる。夜に渋谷駅をぐるっと一周してみると、昔ながら(?)のブルーシートのテントや路上で寝ている人を発見することが出来、「あぁ、生きていたんだな」と安堵してしまう、妙な感覚に陥る。それでも、昼間にハチ公口の前にいるホームレスは、やはり減った。
悲惨な現実を覆い隠す「美しい国」で、彼らは今日も、街頭に立ち、大きな声で雑誌を売っている。

<参考>
【ビッグイシュー日本版】
http://www.bigissue.jp/
【ビッグイシュー日本版 佐藤代表のインタビュー】
http://digiper.com/interview/archives/2005/08/post_1.shtml


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