SSブログ

島根労働局 不正テキスト問題 [貧困]

=========================
<西日本新聞「面接で「給料聞くな」 島根労働局のテキスト」>
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070620/20070620_012.shtml
島根労働局(松江市)の求職者向け再就職支援セミナーで「面接の際に給料、残業、休日について聞いてはならない」と記したテキストを参加者に配っていたことが20日、分かった。
同労働局の中島住夫職業安定課長は「テキストの点検が不十分だったと反省している。再点検し早急に問題の個所を削除・修正したい」と話している。
島根労働局によると、テキストは2005年度から、ハローワーク島根(松江市)が主催するセミナーで使われていた「面接の受け方」。労働局の委託を受けた都内の会社が作った。
「面接必勝の秘訣」の項目に「自分から給料、休日、勤務時間、役職の話は持ち出さない」とあるほか、面接の最後に「何か質問は」と聞かれた際のポイントとして「間違っても給料、残業、休日について聞いてはならない」と書かれていた。
=========================

これ、実は私が告発しました(笑)

この問題については当事者性が強すぎるので取り上げないつもりだったけど、各地方紙及び全国紙でも報道され、2chでも話題になっているようなので、一応、言及しておきます。
私が該当のセミナーを受けたのは今月4日。島根県出雲市のハローワークが主催した「就職支援セミナー」においてでした。その数日前に私は東京へ旅行していて、上京を控えていることもあって、求人フリーペーパーなどを読み漁っていました。そこには「後々モメないためにも、面接の段階で労働条件についてよく確認しておきましょう」「アルバイトでも有給休暇が認められます」といった、当たり前でありながら若年層にはあまり周知されていない情報が乗っており、「やっぱ東京は進んでるべぇ、さすがだなぁ」などと思っていたわけです。
で、帰ってきて地元のセミナーに参加したら、この有様。
新聞には書かれていませんが、このテキストには「入社日はいつ頃になりますか」との質問に対しても「期限などつけてはならない。そんなことでは、やる気があるのか疑われます」といった内容も綴られています。上京予定である私にとっては、それも「上京も雇用先の都合に合わせろってことかよ」と感じずにはいられませんでした。
内容のあまりのひどさに辟易し、というかむしろ笑うしかなく、告発(?)に至ったのです。
島根県議会で取り上げられたこの問題は、地方紙と全国紙(朝日新聞)で大きく扱われ、朝日新聞の要請によって、ついには国(厚労省)が、どの程度このテキストを採用しているかを労働局に調査させ、指導するに至ったのです。

正直、ここに書かれている内容は、今の若年層にとっては「当たり前」のことでしょう。残業・給与・休日について聞かず、いわば「雇っていただけるなら奴隷になります」的な姿勢を示すことでしか職を得られないという厳しい現実があります。
しかし、それを国(の一部である労働局)が認めていることは、大きな問題です。こんなことでは、格差是正も、サービス残業根絶も、されるはずが無い。企業にとっても、労働条件すら確認しないで入ってきた人が、後々になって「そんな話聞いてない」と反発するのもマイナスなわけですが、まぁ、そんな「贅沢」を言う労働者は少ないってことなんでしょうかね。

ただ、私にとって一番衝撃的だったのは、多くの人がこのセミナーを受けていながら、今までまったく問題にならなかったことです。
私はまったくもって、特別なことをした気持ちはありません。自分が「オカシイ」と思ったことを、単に「これ、オカシくね!?」と言っただけです。それがこれほど大きな問題となり、告発者が「特別な人」であるならば、オカシイことをオカシイとすら感じない人が増えていることこそ、由々しき題だと思うのです。
朝日新聞の要請による厚労省の調べによれば、このテキストを使ったセミナーは2005年から今までの2年に渡り、16府県の約9万人に及ぶ受講者が受けてきました。私の経験からすれば、おそらく多くのセミナーで、該当部分をテキストを作成した民間企業の人が読み上げ、指導していたのだと思います。
それにも関わらず、今までまったく問題になってこなかったのです。
だれもオカシイと思わなかったのか、そう思っても口にしなかったのか、口にしたけれども誰も取り合わなかったのか、いずれにしてもダメダメでしょう。
実際、セミナーに参加した個人的な感覚で言えば、ほとんどの人がオカシイとすら思わなかったのかなという気がしています。私が参加したときは若い人が中心でしたが、みんなこれを見て疑問を持つどころか、そうなのか!って感じでメモをする人さえいましたから。
若年者に、いかに「労働者の権利」が伝承されていないかを実感する出来事でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。