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無料メディアの可能性と不可能性 [メディア]

私はテレビっ子だ。起きるとテレビをつけ、帰宅するとテレビをつけ、テレビを見ながら家事や食事や遊びに励む。そういう習慣である。今のメディアがいかに腐りきっていてどうしようもないものであっても、それを分かっていても、憤っていても、見続けるのは何故か。
答えは簡単。「無料だから」
新聞や週刊誌・月刊誌のほうが有益な内容が多いような気がするし、実際そうなのだろう。でも活字メディアは、やはり原則、有料である。一方でテレビは、機材さえあれば無料でじゃんじゃん見れる。ネカフェ難民ですら、テレビのある店を選べばネカフェでテレビを見ることが出来る。

貧困者や弱者にも(視聴という側面では)開かれたメディアなのだから、本当はテレビこそ、貧困問題や弱者問題を積極的に扱うべきだ。もう、毎日が「ワーキングプア特集」でも良いくらいだ。それで週末は毎週「差別問題特集」と「自殺問題特集」を入れ替わりやるんである。
しかし、実際にはもちろん、そうではない。むしろテレビのほうが、一部の活字メディアより盛大に「政府バンザイ!」「経済界バンザイ!」な報道を繰り返している。
お客がタダで見れるということは、メディア側はスポンサー(NHKであれば国の予算)で運営するしかないわけで、だから企業優先になるのは分かる。貧困層がいくらテレビを見て視聴率を上げても、CMに出てくる商品を買える可能性は低いわけだし。
ここにテレビメディアの矛盾のひとつがある。
アウトプットとしては貧困者に開かれていながら、インプットとしては大企業に頼るしかない。そのことが結局、大企業や政府にとって都合のいい番組を生み、それを貧困者に日々見せつけ続けている。そうすることで自己責任論を刷り込んでいく。負の連鎖である。

そこで思いつくのは、ほとんど無料メディアに近いWEBの存在だ。
もちろん通信費はかかるものの、先の例えを繰り返せば、ネカフェ難民でもWEBを見ることは出来る。しかし、ほとんどのWEBニュースは自社で取材をしているわけではないし、逆にちゃんと自社で取材をしているようなところは、まだまだ有料でやらざるを得ない。結局、WEBで見られる公式な(?)無料ニュースはテレビメディアと大差がなくなってしまう。
といって、希望がないわけでもない。WEB上では誰もが情報発信することが可能だから、個人や市民団体など、既存のメディアとは違う立場の人々、端的に言えば利益のためにやっているわけではない人々が、積極的に情報発信をしている。実際、そうした手法で人気を集めているブログも多いし、そこからフィードバックされて書籍化となるケースも出てきている。
テレビにこの先しばらくは成長を期待できそうにない今、もうひとつの(ほぼ)無料メディアであるWEBの進み方は、とても重要なファクターだと感じる。


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